モルゲッソヨの意味と平昌五輪の謎!あの「銃弾男」作者の現在

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モルゲッソヨの意味と平昌五輪の謎!あの「銃弾男」作者の現在
モルゲッソヨの意味と平昌五輪の謎!あの「銃弾男」作者の現在
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モルゲッソヨ 意味を直訳すると、韓国語で「分かりません」「知りません」という極めて日常的な受け答えに過ぎない。しかし日本のネットカルチャーにおいて、このフレーズは単なる外国語の文法解説では決して片付けられない熱量を帯びている。白銀の競技場近くにそびえ立つ、頭部が銃弾と化した3体の筋骨隆々たる裸体像――あの異様で強烈なビジュアルが、瞬く間に人々の脳裏に焼き付いたからだ。

奇妙な熱狂から歳月が流れた今なお、ネットの片隅でモルゲッソヨ 意味を再検索する人が絶えない背景には、言葉の響き以上に、オブジェそのものが放つ異様な存在感と偶発的なドラマがある。一過性のネタで終わるはずだったフレーズが、なぜ国境を越えて愛される文化的アイコンへと変貌したのか。その真相と現在地に迫る。

韓国語「モルゲッソヨ」の本来の意味と日常会話でのリアルな使い方

言語としての基本を押さえておこう。「モルゲッソヨ(모르겠어요)」は、韓国語の動詞「モルダ(모르다:知らない、分からない)」の語幹に、婉曲や意志を表す語尾「ゲッ(겠)」と丁寧語の「オヨ(어요)」が結合した表現だ。

同世代の友人にフランクに「知らない」と言う「モルラ(몰라)」に比べ、目上の人や初対面の相手に対しても失礼にならない節度ある物言いである。「私にはちょっと分かりかねます」「見当もつきません」といったニュアンスを含み、ビジネスから観光客への案内まで、韓国の街中では日常茶飯事に飛び交っている。

つまり、言葉自体には何の怪しさも裏の意味もない。どこにでもある無辜な日常語が、ある国際的メガイベントの現場で偶然カメラに捉えられたことで、運命の歯車が狂い始めた。

平昌冬季五輪で突如バズった謎の彫刻「銃弾男(Bullet Men)」の正体

発端は、2018年平昌冬季オリンピックのメインプレスセンター(MPC)前だった。世界中から集まった報道陣を迎えたのは、メイン会場であるアルペンシア・リゾートの敷地内に鎮座する、銀色に輝く巨大な男性像である。

たくましい肉体の上に、異様に細長く尖った兜のような頭部。その異様な造形に目を奪われた日本のスポーツ紙記者が、現地ボランティアスタッフに「あの像は一体何ですか?」と尋ねた。スタッフは困惑気味に肩をすくめ、こう返した。「モルゲッソヨ(分かりません)」。

平昌オリンピック組織委員会や国際オリンピック委員会(IOC)の公式発表を待たずして、日本のメディアが「謎のオブジェ、名前は『モルゲッソヨ』」と報じたことで、この彫刻は本来の名前を奪われ、ネット上で独り歩きを始めた。しかし、この作品には当然ながら正式なタイトルが存在する。その名は「銃弾男(Bullet Men)」だ。

作者キム・ジヒョン氏が明かした制作秘話と現代美術に込めたメッセージ

この作品を生み出したのは、韓国の彫刻家キム・ジヒョン(Kim Ji-hyun)氏である。オリンピックのために作られたものではなく、2009年に制作され、2013年の「平昌ビエンナーレ」を機にアルペンシア・リゾートへ常設展示された現代美術作品だ。

キム・ジヒョン氏が作品に込めたテーマは「現代社会に生きる人間の欲望と虚栄」である。銃弾の形状をしたヘルメットは、冷酷な競争社会を生き抜くために武装した人間の仮面を意味し、逞しく鍛え上げられた肉体は、他者からの評価や権力を追い求める現代人の姿を象徴している。頑強な外見の裏に隠された、脆く傷つきやすい人間の内面を風刺したシリアスなメッセージだった。

後に自身の作品が日本で「モルゲッソヨ」として爆発的な話題になっていると知ったキム・ジヒョン氏は、怒るどころか深い面白みを感じたと語っている。美術作品は鑑賞者の解釈によって完成するもの。意図せぬ形で大衆に親しまれ、新たな文脈を獲得したこと自体を、アーティストとして歓迎したのだ。

Xや5ちゃんねるで大流行!インターネット・ミーム化した日本独自の拡散経路

報道直後から、日本のネットコミュニティは沸き立った。匿名掲示板「5ちゃんねる」では即座にアスキーアート(AA)が職人たちによって制作され、X(旧Twitter)ではパロディイラストやコラージュ画像が滝のように投稿された。

洗練されたスポーツの祭典と、説明不能なシュールさを持つ「銃弾男」のビジュアル。そのギャップが、日本特有のネットユーモアと完璧に噛み合ったのだ。YouTubeには3Dモデルを作成して動かす猛者やテーマ曲を自作するクリエイターが現れ、一大インターネット・ミームとしての地位を確立した。

この盛り上がりは海を渡り、韓国最大のポータルサイト「NAVER」のニュースやコミュニティでも「日本のネットで平昌のオブジェが大人気になっている」と逆輸入の形で報道された。日韓双方のネットユーザーが、政治的な文脈を抜きにして同じ奇妙なオブジェで笑い合うという、極めて稀有な現象が生まれた瞬間でもあった。

あれから歳月が流れた現地アルペンシア・リゾートのいま

激動のオリンピックとネット上の大騒動から月日が経過した。多くの仮設施設が撤去されたなか、あの3体の「銃弾男」はどうなったのか。

現地アルペンシア・リゾートを訪れると、彼らは今も変わらぬ姿で静かに佇んでいる。緑豊かな山々に囲まれ、冬になればスキーヤーが行き交うリゾートの風景の中に、黒光りするブロンズの肉体が悠然と並ぶ。かつて世界中を騒がせた喧騒が嘘のように、平昌の澄んだ空気の中に溶け込んでいる。

現在では、現地の隠れたフォトスポットとして国内外の旅行者が足を止める場所になっている。日本からの観光客が像の前で同じポーズをとって記念撮影を楽しむ姿も珍しくない。一過性のバズで終わることなく、場所の記憶を留めるモニュメントとして現地にしっかりと根付いている。

【総括】なぜ「モルゲッソヨ」は人々の記憶に刻まれ続けるのか

言葉の意味を取り違えたメディアの誤認報道と、ボランティアの率直な一言。そこに現代美術の持つ不気味な造形美が重なり合い、ソーシャルメディアの増幅装置が作動した。「モルゲッソヨ」の流行は、デジタル時代におけるハプニングが生んだ最高の芸術的アクシデントだったと言える。

「分かりません」という無責任な響きは、情報過多で正解を求められ続ける現代人にとって、どこか肩の力を抜いてくれる免罪符のようでもあった。何年経とうとも、あの滑らかなヘルメット頭を見るたび、私たちは思わず口にしてしまうのだ。「モルゲッソヨ」と。 (出典: モルゲッソヨ 意味(Yahoo!ニュース)